※本記事は攻略や性能解説ではなく、出典についてのお話です。
(2023/04/19 追記:告知見て好きな伝承のアシストだやった~!とか思ってたら、とんでもない性能で環境をブッ壊してて泣きました…性能に思うところはあっても、伝承に罪はないから嫌いにならないで……)
(2024/04/15 追記:ついに葛の葉さんも1年越しにソウルで参戦!かわいいヤッター!!葛の葉さんの解説でもありますので、ご興味あればお時間ある際にお読みいただければ幸いです。)
============================
はじめまして、よくぞお越しくださいました。
今回は、2023年4月17日に追加される新アシスト
『愛しき裏文字書きの筆』
について、気まぐれにお話をさせていただければと存じます。
どうぞ、お暇な方はお付き合いくださいませ。
-----------------------------------
○ 『愛しき裏文字書きの筆』の出典とは?
こちらの公式紹介にある画像が一番大きく鮮明に見えるものになるでしょう。
””恋しくは””の文字と、筆を持つ白い狐という情報がこちらから把握できますね。
ここから導き出されるお話、おそらくは『葛の葉伝説』と呼ばれるお話が出典になるかと思われます。
言い伝えや派生が様々ございますので、どのお話が正しいのか?どのお話をベースにされているのか?などは一旦おいておきまして(特定出来るものでもございませぬゆえ…)。本日は大筋のお話についてご紹介いたしましょう。
-----------------------------------
○ 『葛の葉伝説』のあらすじ ※諸説あり
前述の通り、様々な言い伝えや派生がございますので、共通する大筋のお話と致します。
----時は平安中期頃。村上天皇の頃でありましょうか。
摂津国、阿倍野(現在の大阪市阿倍野区)に住む「保名(やすな)」という男がおりました。
彼はある時、信太明神(しのだみょうじん:現在の大阪府和泉市にある聖神社)という社へ訪れました。
ある話では、家の再興を願ってのこと。ある話では、師に認められたことで日頃の信仰のおかげと感謝の参詣であったとも言われております。
そこで保名は、数人の狐狩りに追われた1匹の白狐と出会います。
保名はこれ助けてやることとしました。
保名は狐を助けることはできたものの、怪我を負ってしまったそうです。
その際、狐が化けた坊主が狩人を咎めて命を助けられただとか、助けたものの大怪我で倒れてしまったとか…様々なお話がございます。
ともあれ、ここで助けられた白狐は気づかれぬよう美しい女性に化け、「葛の葉」と名乗り、保名を介抱して家に送り届けたとのことでございます。
その後も葛の葉は何度も見舞いに訪れ、やがて二人は夫婦となりました。
二人の間には子供も生まれ、童子という幼名をつけられたとのことです。
しかしある時、ふとしたことから幼い童子に母の正体が白狐であることが知られてしまいました。
葛の葉は悲しみ、障子に歌を書き残し去ったと言います。
『恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉』
その後どうなったかは……
はてさて、いくつかございますので興味があったらお調べいただければと思います。
そうそう、一つだけ。
保名は正しくは「安倍保名」という名前でございます。
では童子は幼名、大人になったらどんな名前なのか。
そう、童子こそがかの名高い陰陽師「安倍晴明」公となるお方でありましたとさ・・・。
-----------------------------------
○ 豆知識
さて、まことの意味は白狐のみぞ知る所でございますが、
『恋しくば 尋ねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉』
を現在の言葉にすると「恋しければ、私の住む和泉にある信太の森へ訪ねに来てほしい。」といった所でしょうか。
「うらみ葛の葉」
については様々な解釈がございますが・・・
植物の葛は葉の裏が白く、風になびいて白い裏側が目立つことから別名として「裏見草」とも言われております。
古今和歌集にも『秋風の 吹きうらかへす(裏返す) くすのは(葛の葉)の うらみても猶 うらめしきかな』(古今和歌集 823番 平貞文)
という歌が収められており、「裏見」と「恨み」をかけた歌は平安の世から明治の歌人に到るまで綴られてまいりました。
つまり、「うらみ」には
・葛の葉の裏見
・私(葛の葉)を恨まないでください
の意味がかけられていたのではないでしょうか。
そしてまた、ここからはあくまで私の解釈の話にはなりますが・・・
うらみとは裏の身、つまり人間の姿と狐の姿を現している意味も重なっているのではないでしょうか。
あるいは、恨まないでくださいではなく、人の身ではない・結ばれないことが恨めしいという気持ちと解釈も面白いでしょう。
また、今回のアシスト名は「愛しき裏文字書きの筆」、裏見ではなく裏文字の表記となっております。
これは障子に書かれた文字であることから、後ろ側から透かして見ると裏文字(鏡文字)になって見えることを表現している遊び心なのかもしれません。
真相は……いつか、最後に全てのアシストやソウルの解説がまとまった設定資料集が出ると嬉しいですね。
-----------------------------------
○ おわり
さて、ここまでお付き合い頂きました物好きな皆々様に感謝いたします。
語り口がウザいとか、もっと他のも書けとか、ご意見ありましたらコメントなりで頂けたら何かする可能性が無きにしもあらずです。検討します。
また、結構書いてはいますがあくまでも今回紹介した内容は諸説・諸演目ある中での中核となる要素をざっくりと書いたものです。解釈についても様々あると思います。
なので、ここちょっと違くない?とか、自分はこういう解釈だ!とか、人によってはあるかとは思いますが…
あくまでも導入として、ということで一つよろしくお願いします。
いやほんと、童話や伝承って面白いですね。
玉藻に採用して狐装備!ってするのも面白そう
「いやほんと、童話や伝承って面白いですね。」
ほんと、まさにその通りだと思います。
自分としては実話に脚色が入っていたり、また教訓等を物語にしたりなど、それらの背景を考えたりするのも好きなので、
今回の記事はすごく興味をもって読みました。そして勉強になりました。ありがとうございます。
(以前阿倍野に住んでいたのですが、そこにそういったお話があるとは知らなかったので、正直びっくりしました。)
ちなみに大阪の安倍晴明の像がある神社(産湯の井戸とかもあったと思います。)はあべの筋の阿倍王子神社の北側を一本奥に入った筋にありますので、巡られていないようであればぜひ。
>tennozan8さん
コメントありがとうございます。
実話だったり創作だったり、話には色々ありますが、自分に馴染みのある場所や地域が意外な伝承の地だったり…ということを知るとちょっと嬉しくなりますね。
京都の晴明神社には訪れましたが、大阪の阿倍王子神社と安倍晴明神社にはまだ訪れたことがなく…また大阪に行く機会があれば、次回こそはと思っています!
安倍晴明の妹です。この度は環境を壊してまことに申し訳ありませんでした。全てをお話します
コメントしたので金ください
>お銀銀
これはサムネ作って謝罪の狐筆ジーン配信期待していいってことですね…いやこんな単文で面白いのズルいだろ
>かんなちゃん
リーフ支払いでいい?お財布の中身たぶんミクサと同じくらいしか無いわ